「化学物質過敏症」を正しく理解し対策を社会に提言するため、弊社は香害の意見広告などを通じ情報発信しています。
残念ながら患者数は増加傾向です。そこで映像による情報発信を企画し、制作を「いただきます~みそをつくるこどもたち」のオオタヴィンさんに依頼しました。今回、その制作背景などを中心にお話をお伺いしました。
※イギリスの教育家A.S.Neill(1883-1973)の言葉。「世界で最も自由な学校」といわれるサマーヒル・スクールの創立者。
映像制作・編集・監督
オオタヴィンさん
イーハトーヴスタジオ・主宰。大病を機に「医食同源・食養生」を20年以上実践中。初監督映画「いただきます」は撮影・編集・スチール撮影・ブックレットデザインもひとりで手掛け、2万人を超えるヒットドキュメンタリーとなる。
・ホームページ:itadakimasu-miso.jp
森田 『カナリアからのメッセージ〜化学物質過敏症のない未来へ』の制作、ありがとうございました。一見、難解で限定的なテーマを、誰もが当事者だということ、それをわかりやすく、すぐ行動したくなる内容に仕上げていただきました。
オオタ 実は制作当初、違う方向性で考えていました。少ない出演者を想定していて、もっとさらっとした仕上がりにしようと思っていたんです。でも、患者さんや医師の取材を重ね、自分の意識がかなり変化しました。映像を患者さんがご覧になったら、少し勇気が出る、少し見方を変えることができる、そんなものにしたいという想いになっていました。
森田 監督の意識が変化するきっかけはなんだったのでしょうか。
オオタ 映像で登場する医師の言葉「過敏症の患者さんは、環境に敏感な感度の高いエリートなんですよ」、これに深く共感し自信をもって方向転換しました。
森田 危険を敏感にキャッチできるからこそ、体の異変に気づくことができるということですよね。
オオタ 患者さんは職場を変え、引っ越しをせざるをえないこともあります。その実情を知り、ご自分を責めることなく生きてほしい……。自分の中から湧き上がるものがありました。
森田 弊社の香害意見広告のきっかけは、香害で登校できない小学生からの手紙でした。広告するには正直躊躇もありましたが、その声を見捨てるわけにはいかなかったんです。
オオタ 企業が利益のみ追求することは軽蔑され、利益を橋や病院などの社会資本に還元する姿勢を江戸時代には商道(あきんどう)と言いました。今の日本では見る影もないと思っていましたが、人にも地球にもやさしい商品を作るというシャボン玉石けんに、現代の商道を感じました。
森田 ありがとうございます。先代社長が執筆した『自然流「石けん」読本』は、石けんと合成洗剤の違い、安心・安全な石けんを広めようとした内容です。驚くのは、自社以外の全国の石けんメーカー一覧も掲載しているんです。石けん自体の普及を願う商道なのもしれませんね。
オオタ そうだと思います。制作にあたり香料入り洗剤メーカーにも取材しました。回答は「法律上問題ないものを作っています」でした。でも現実には苦しむ方がいる。特に、身体の小さい子どもたちには深刻な影響を与えます。
森田
これからも、健康な体ときれいな水を子どもたちに残すために、安心・安全なものづくりで社会に応えたいと思います。
最後に、監督の今後の展望や取り組みたいことなどお聞かせいただけますか。
オオタ
イギリスの教育家ニイルが「まずは、子どもを幸福にしよう。すべては、その後に続く」と述べていますが、これに尽きると考えています。日本の伝統文化や精神を映像に残して子どもたちに伝えるのが自分の使命なのかなと。「いただきます〜みそをつくるこどもたち」は世界から称賛される日本の食養生をテーマにした映画です。次回作はオーガニックをテーマにした「いただきます2」を編集中です。
でも、私は決して高邁な志を持つ人間ではありません。以前は、世の中に良くない商品も伝えていましたから。その罪滅ぼし、ということを最後に付け加えさせてくださいね(笑)。
森田 今日はお忙しい中、貴重なお話を誠にありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
ドキュメンタリー映画「カナリアからのメッセージ」ができました!
日本国内の患者数は約700万人と言われる「化学物質過敏症」。
その「化学物質過敏症」と患者様へのあたたかい社会的理解と認識を広めることを目的に、ドキュメンタリー映画「カナリアからのメッセージ」を制作いたしました。監督には「いただきます みそをつくる子どもたち」を制作されたオオタヴィン氏に、ナレーションには女優の小雪さんにご協力いただきました。
※講演会や勉強会へ「カナリアからのメッセージ」DVD貸し出しを行います。詳細は弊社お客様相談室(フリーダイアル:0120-4800-95)までお問い合わせください。