企業インタビュー
旅道具と人
HouHou（ホウホウ）
わたしたちは山が好きで人が好きで、誰でも楽しく集まれるコミュニティをつくりたいと思い、このお店をはじめました。山だけでなく、旅行でも仕事や街でも、快適に軽やかに心地よく過ごせる商品を扱うショップ、喫茶スペース、ヨガ教室などを夫とわたしで運営しています。
先日、SNSにある投稿をしました。それは「洗剤・柔軟剤の匂いについてのお願い」です。
わたしたち夫婦は洗剤や柔軟剤の強いにおいに反応すると、具合が悪くなってしまいます。頭痛、喉の痛み、吐き気、しびれ、くしゃみ、鼻水が出て、何もできなくなり寝込んでしまうことも。回復するまでには時間がかかります。
また、香りの強い方が試着したものはにおいが移るため、商品として販売できなくなります。
たくさんの人に来てもらいたいのに、喜んでもらいたいのに、大好きな人たちと一緒にいたいのに、こんな発信をするのは、みなさんを傷つけることになるかも知れない、自分たちも傷つくかも知れない、と考えて考えて、とても迷いながらも、意を決しました。
そういった洗剤や柔軟剤を使っている人を決して責めているわけではありません。
けれど、わたしたちにとって「強い香料をまとってのご来店は控えてほしい」というお願いは本当に切実なのです。
子どものころから、たとえば海に行ったときに漂ってくるサンオイルのにおいやうきわ、柔軟剤やヘアスプレーで必ずくしゃみが出るなど、他にも気持ちが悪くなるにおいがいろいろあったのですが、さらに症状がひどくなることが多くなったと感じたのが、洗濯物の”香りブーム”が広まった時期からです。各メーカーがこぞって、香りを強くしてリニューアルしたり、「良い香りが続く」とうたった新商品を出したりしていたからだと分かりました。夫もそれまで使っていたヘアワックスが急にダメになりました。
使い続けている人はその香りに慣れてしまって、気づきにくくなっているのも事実です。
実際にわたしも不調との結びつきにたどり着くまでは、そんな洗濯洗剤や柔軟剤を使っていました。
「香害」は「香りの問題」ではなく、中に含まれた化学物質が原因で起こっていること、世の中は「作られた香り」であふれていること、それによって体調を崩す人がいること。
そして、限られた人たちだけでなく、いつでも誰でも発症する可能性があること。
シャボン玉石けんさんの「香害」への取り組みを知ったとき、自分たちが伝えたいことそのままだったので、すごく嬉しくて心強くなりました。
こういう風にマークもあると、自分から言わなくても気にかけてくれる人が増えそうですね。
香害や化学物質過敏症に悩んでいても、原因に気づいていない人、声に出せない人もまだたくさんいると思います。勇気がいることですが、ぜひ自分の言葉でまわりに伝えて、少しずつでも良い方向へ変えていき、お互いが人と人として尊重しあえる世界にしていけたらと心から願っています。
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